新疆のカザフ族は天山山脈やアルタイ山脈の一帯で遊牧生活を営んでいます。お隣のカザフスタン共和国の人々と同じ民族です。
 
 私は03年8月、天山山脈のボゴダ峰トレッキングに行ってきました。雪を戴いた雪嶺のもとで登山を満喫してきましたが、私たちの荷物を運んでくれたのが彼らカザフ族の人たちでした。

 今回はカザフ族の風俗・習慣などについておはなししましょう。

 カザフ族は同じ部落間での結婚はしません。結婚する場合は7代までさかのぼって血縁関係がないかを調べます。例えば、血縁の近い同士が結婚すると、男女ともフェルトにグルグル巻きにされて百頭の羊、百頭の牛、百頭のラクダ、百頭の馬を2人の上に走らせるという罰を与えられます。が、今でもそうなのかどうかはさだかではありません。

 もちろん、婚前交渉や不倫や「できちゃった結婚」などは絶対に許されません。それがあると、集団から永久に追放されますし、過去には殺された場合もありました。しかし、21世紀の現在、同棲する若い人やできちゃった結婚、不倫などがかなり増えてきているのも事実です。
 
 カザフ族は赤ちゃんが生まれると、7日目までに名前をつけます。赤ちゃんが生まれてから、お父さんが最初に家を出た時に会った人の名前を付ける習慣もあります。あるいは、生まれた場所や鳥、河、星、月、太陽など自然の名前を付けることもあります。

 遊牧民族はおしなべてそうなのですが、カザフ人もお客さんを非常に大事にします。「祖先からの遺産の半分を客に残す」という諺があるほどですから。

 カザフ人は10月から4月ころまでの冬期は木造の家で暮らします。夏は遊牧生活になりますので、移動に便利なフェルト製のテントで暮らします。住み心地は大変よいです。

 彼らはこのように一年中移動を繰り返します。その生活の間にも赤ちゃんが生まれ、家族が死にます。こうして数千年の悠久の歴史を生きてきたのが、カザフなどの遊牧騎馬民族なのです。

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