キルギス族

キルギス族は主に新疆ウイグル自治区のオシ、温宿、ホータンのグマ県および北彊のテケス、ドルビジンなどに集住しています。
キルギス語はアルタイ諸語のチュルク語派に属し、アラビア表音字をもとにしたキルギス文字を使用しています。
キルギス族の祖先は2000年前、すでに中国北方のエニセイ河上流で遊牧していました。紀元6世紀には「ハカス」と称しており、のちに唐王朝に服属しました。
840年、ハカスはモンゴル高原の覇者であった回鶻(ウイグル)との戦いで勝利し、ハカス汗国を建国、その勢力をビシュバリク(北廷)から西安付近にまで影響力を伸ばしました。
7世紀から10世紀にかけては、漢民族との交流を盛んに行いました。
時は移って1954年7月14日、新疆にキルギス自治州が成立しました。
キルギス族の遊牧民が住むフエルト製のテントの天井の丸い屋根はボウスと呼ばれます。夏、かれらの大部分は平原の河川周辺に住み、冬は日当たりのよい谷に移住します。
食生活はとても豊かです。羊のミルク、牛乳、馬乳、ヨーグルトなどは日常生活のなかで欠かせないもので、牛、羊や馬など各種の肉、米や小麦粉の麺類を食します。
服装の特徴は、男はフエルトの帽子をかぶり、女性は襟の前合わせの上着を着て、銀のボタンをつけるのを好みます。
若い女性は、普通は赤い服が好きで、赤い絹のビロードの小さい帽子、あるいはカワウソの皮で作った真っ赤な帽子をかぶります。年齢を問わず刺繍のある皮のブーツを履くのを好み、未婚の女性は細い三つ編みを5本か6本など、たくさんさげた髪形にしていますが、結婚すると1本か2本の三つ編みにします。装飾品の多くは銀製で作ったものを好み、模様のついた丸いブローチを身につける女性もいます。

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