この欄でご紹介するのは、主に中国の西域・タクラマカン沙漠のあるタリム盆地とコルバントンギュト沙漠のあるジュンガル盆地周縁の諸民族(いわゆる「少数民族」)紹介のページです。

 わたしは「少数民族」という言い方は、ある意味で蔑称だと思っているので、あまり使いたくありません。なぜなら、「少数民族」という言い方は、多数民族である漢民族が、自分たちより数が少ない民族を指して言っているわけで、当の諸民族は、自分たちをわざわざ「少数民族」とは言いません。
 「少数は多数に従え」という考え方を通せば都合がいいからでしょうか。そういう考え方は皮相にすぎるでしょうか。しかし、当の諸民族の方々がそういう言い方をしたり、やむをえない場合には「少数民族」という言い方を使うこともあります。

 「新疆」という漢字も漢民族が考えた造語で、「新しくできた未開の開拓地」というような意味です。

 「天の中心に存在する民族=中華思想」という考え方がありますが、日本も古くから、「小中華思想」にどっぷりと浸かっています。わたしたちは早くこの桎梏から抜け出て、諸民族のことは諸民族の心を聴き、考えるという立場に立ちたいと願っています。

 原稿は「日中友好新聞」に毎月1回連載したものです。本当はもっと多くの字数で紹介したかったのですが、いまになれば、これくらいの字数でよかったと思っています。

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広大な領域、厳しい気候。かつてシルクロード上に五大文明があり、現在、12の民族が定住し、ほとんどがイスラム教徒になっている。
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他民族のように隣国に同民族のいない、新疆最大人口の民族

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もとは亡命ロシア人や越境者。薄倖のロシア人・オロス族

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チンギスハンが劫略した地から連れてきた民族。だが、正体はいまだ不確か。
信仰上のことでは、「大きいモスク」と「小さいモスク」があります。
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誉れ高き悠久の遊牧騎馬民族。彼らは天山山脈の山麓一帯で遊牧生活を営んでおり、隣のカザフスタンと同じ民族。

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ヨーロッパ人は東の遊牧民族を、ひとからげにしてタタールといった。タタールはロシアのボルガ河中流域に定住したが、ボルガ・タタールとロシア帝国に分散したその末裔のトルコ系イスラムをさす。

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世界の文明を作り変え、発展させた起爆力の役割を果たした栄光の民族

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民族に加えられた悲劇のもとでも、その悠久の歴史と文化は世界から憧憬をもって迎えられている

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中国の歴史に大きな寄与をした満州族。
満州族が中国の統一、国土の開拓、経済、文化の発展に大きな貢献を果たしたことは歴史の事実である。
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シボ族の祖先は古代北方民族の鮮卑人といわれている。そのシボ族の伝統的な行事は姿を消してしまい、今ではほとんど漢人に同化している。女性たちは切り紙が得意。
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ダフール族は北方遊牧騎馬民族「スキタイ」の子孫だといわれている。清代に辺境の要衝を守るために重用され、新疆に家族ぐるみで移駐した。
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キルギス族の祖先は2000年前、すでに中国北方のエニセイ河上流で遊牧していた。紀元6世紀には「ハカス」と称しており、のちに唐王朝に服属した。多彩な衣食が特徴の民族。
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タジク族は昔から古代中国と西域および中央アジアとの交通の要衝であったパミール高原のタシュクルガン地方に集住していた、半定住、半遊牧の生活を営む。
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ウズベク族は、となりのウズベキスタンに1900万人の共和国があり、中央アジアでも核心的で指導的な役割を持った民族である。

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