ウズベク族

 ウズベク族は、ウズベキスタン共和国に約1900万人の人口があり、中央アジアでも核心的で指導的な役割を持った民族です。
 14世紀の前半、モンゴル帝国に属したキプチャク・ハーン国はウズベク・ハン国と呼ばれるようになり、その民もウズベク人と呼ばれるようになりました。
その後、現在のウズベク族に当たるチュルク(トルコ)系イスラム教徒が、当時の清王朝領内で商業活動を展開し、新疆のカシュガルやヤルカンドなどに定着した、という歴史的経緯に起源を持つと考えられています。
 このような人たちには商人のほか、手工業者、知識人農民もいました。ウズベク人の多くは都市に居住しているため、教育を受ける機会も多く、知識人や教師も多かったといいます。そして新疆の教育・文化活動にも大きな貢献をしました。
90年の人口調査によれば、中国全体で14763人、97年の新疆における人口は13530人となっています。
ウズベク族は主に新疆のイーニン、昌吉、奇台、カシュガル、クチャ、ウルムチなどに分布しています。ウズベク語はウイグル語と共通しています。
ウズベク族は牛、羊、馬の肉と牛製品を食べ、日常の食事にはナンをミルク入りのお茶と一緒に食べます。ジャガイモと羊の肉の煮込み料理、蜂蜜、羊の肉の野菜スープ、ピラフなどを好んで食べます。また、ナリン(羊肉に玉ねぎを入れて煮込み、ソバのような麺の上にかける)をよく食べ、客をもてなす時のご馳走となります。
ウズベク族の家庭はウイグル人と同じで、大部分が父母と未成年の子どもたちが一緒に住みます。そして、祖父母、父母と子どもの3世代が同居する場合が多いのです。また、ウズベク族はタタールやウイグル族と結婚して親戚になる伝統もあります。
ウズベク族の伝統的な服装は、男女ともさまざまな柄のある帽子をかぶります。女性は時として帽子の上にスカーフをかぶり、一般的には革の靴をはきます。さらにウズベク族は工芸美術が得意で、男性のシャツの襟や縁、前合わせ縁に刺繍をつくり、女性はゆったりした服を着るのが好みです。

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