日本シルクロード文化センター主催
シルクロード講座とシルクロードサロン
第8回:2010年1月9日(土)13:00〜16:00
シルクロード講座:
「ゾロアスター教とイスラム教の結婚と離婚」
          講師:加藤九祚先生(シルクロード研究者)
シルクロード・サロン:「ウイグルのお正月」
       日本在住のウイグル人ご夫妻のお話と,軽く新年会を行いました。
場所=「みんなの広場」(小田急線和泉多摩川駅から歩いて5分)

第8回の様子(報告:周東)

第8回目を迎えた「シルクロード講座&サロン」は実に49名の方々が参加され、会場のありとあらゆる椅子を並べても足りず、役員は立ち見状態でした。実は3年ほど前に加藤九祚先生の講演会を企画したことがありました。そのときはなんとたった6名の参加で、先生も講演の中でその話を持ち出されて、冷や汗物でしたが、今回は挽回できました。

シルクロード講座:

「ゾロアスター教とイスラム教の結婚と離婚」 講師:加藤九祚先生(シルクロード研究者)
様子加藤先生は「アイハヌム」という加藤九祚一人雑誌(東海大学出版会、2001〜2009、毎年1冊刊)で,現地研究者の研究を訳して紹介されています。今回はナルギス・ホワイジャという女性研究者の仕事の紹介でした。ゾロアスター教徒イスラム教の教えや習慣の違い、ゾロアスター教がキリスト教、イスラム教に影響を与えたこと、結婚に関する決まり事の違いなど、興味深いお話がいろいろ紹介されました。
後半は会場とのやり取りで進められました。「イスラム教の男性が離婚してから、同じ人と再婚するには、いったん、別の女性と結婚してからでないと復縁できない」と言われたのに対し、サロンで話をする予定のウイグル人のハミットさんから「私はイスラム教ですが、同じ女性ともう一度再婚するために、ほかの女性といったん結婚するなどはないと思うのですが」との反論。加藤先生は「それはコーランにはっきりと書いてある」と答えられ、ハミットさんもコーランを読み直してみるとのやりとりもあったり、専門的な内容の質問も飛び交い充実した時間となりました。

シルクロードサロン:「ウイグルのお正月」ハミットさんとハイダさん夫妻
野口当会代表の司会で在日ウイグル人夫妻と参加者の皆さんとの対談形式で進められました。「軽い新年会」ということで、会員の用意した煮物や、カナッペをつまみに、また差し入れの美味しい日本酒の生酒やワイン、ビールを片手に話が弾みました。

アンケートには、 「お話は、演題についての一般的紹介だけでなく、この分野の最先端の知見(タジキスタンの女性研究者の未訳論文)の内容を紹介するもので、きわめて有益だった。演題や講師の選択に、主催者の見識と努力のあとがうかがわれる。今後も単にシルクロード趣味を満たすため(それだけでも十分結構ですが)だけでなく、Challenging(意欲的な)な運営を期待します。」 「シルクロードの現地の方と直接!話し合える貴重な機会を設けていただき、ありがとうございます」などの感想が寄せられました。

終了後は恒例の狛江駅前「鮮の庄」での本当の新年会。25名もの参加者で大いに盛り上がり、加藤先生の歌も飛び出し、楽しいひとときでした。加藤先生と一部の方はさらに成城学園でもう一席設けて交流されたそうです。

<2009年度のこれからの予定>
第9回 2月6日(土) 13時〜16時
講座:「変貌する中央アジア」 講師:金子民雄さん(中央アジア歴史研究家)

講師紹介:1936年東京生まれ。日本ユネスコ協会会員、Ph. D.
19〜20世紀の中央アジア史と探検史の研究を続け、著書に『シルクロード紀行』(海外渡航記叢書3、雄松堂出版刊)をはじめ『ヘディン伝』『中央アジア に入った日本人』『辺境の旅から』『アフガンの光と影』『楼蘭への旅』『西域 探検の世紀』など。東南アジアの古代文化についての仏教遺跡の紹介もある。ほかに『山と森の旅─宮沢賢治・童話の舞台』『宮沢賢治と西域幻想』といった紀行と随筆がある。
サロン:「ブータンを旅して」 報告:周東三和子(日本シルクロード文化センター会員)

第10回 3月6日(土)講座:「女性探検家から見た中央アジア」井出マヤさん(会議通訳者、中央アジア研究者)

<問合せ先> Tel & Fax: 03-3480-4478(野口)
E-mail:silkroad-j@mtj.biglobe.ne.jp
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