日本シルクロード文化センター主催
シルクロード講座とシルクロードサロン
第9回:2010年2月6日(土)13:00〜16:00
シルクロード講座:
「変貌する中央アジア」
          講師:金子民雄さん(歴史研究者)
シルクロード・サロン:「ブータンを旅して」
          報告:周東三和子 (日本シルクロード文化センター)
 ブータンの秋祭りツェチュを見る旅をスライドで紹介しました。
場所=「みんなの広場」(小田急線和泉多摩川駅から歩いて5分)

第9回の様子(報告:周東)

第9回目の「シルクロード講座&サロン」は40名の方々が参加され、会場はいっぱいとなりました。

シルクロード講座:

「変貌する中央アジア」 講師:金子民雄先生(歴史研究者)
様子金子民雄先生は、中央アジア史、東南アジア史の調査・研究をされており、「ヘディン伝」「中央アジアに入った日本人」「アフガンの光と影」「天山北路の旅」など多数の著書や訳書を記されており、現代の中央アジアに関わる、あらゆる事象について話題も切り口も豊富なお話でした。
アフガンでは春1番にチューリップの原種が一面に花を開き、それはパミールまで続いている。このチューリップの道を通って紀元前2〜3世紀にアレクサンダーの軍がやってきて、ガラス工場があることを発見したことや、正倉院まで多様な文化がやってきたことなどを話されました。
また、サマルカンドにはワイン工場があるが、アルコールご法度のイスラムの国なので、おおっぴらに宣伝されていないということなども話されました。

現代政治にかかわってのお話では、アメリカはベトナム・イラク・アフガンで宣戦布告なき戦争を始めているが、完全に失敗している。それはアメリカには長い伝統や歴史がないからで、相手の国や民族に対する理解がなく、相手を皆殺しにしてもかまわないという戦争が、どこでも失敗している。
かつてアフガニスタンをめぐって帝政ロシアとイギリスが対峙したが、武器を使わず力のバランスで駆け引きを行うグレートゲームだった。など、話は遠い昔から現代まで時空を超えて広がっていき、着いていくのが大変でしたが、とても興味深い物でした。

中央アジアを旅する前に、オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』を読んでいくと、まったく異なった世界が見えてくるというお話があり、5月にセンター主催のキルギスツアーを企画している身としては、ぜひとも読んでいきたいと思いました。

シルクロードサロン:「ブータンを旅して」

様子様子様子

私(周東)が昨年9月から10月にかけての7日間、ブータンの秋祭りを見に行って来た時の写真を見ながら、まだ行かれた方の少ないブータンの様子をお話ししました。
外国人に対してブータンの観光が許されたのは、ほんの30年前のことで、現在でもブータン国内の旅行は現地の旅行社による運転手とガイド付きの旅行となります。伝統を守り、人々の暮しに急激な変化をもたらさない為の国の政策です。
移動の制約はあるものの、人々はとても人なつこく、親切で、お祭りの時は隣に座った私たちにもごちそうを振る舞ってくれたり、席を空けてくれたり、英語であれこれ話しかけてくれました。
谷筋に続く取り入れを控えた棚田、着物のような民族衣装、日本人によく似た顔つきの人々で、外国にいることを忘れさせるような、懐かしい気持ちのさせてくれる国でした。
ブータン王国のホームページはこちら

終了後は恒例の狛江駅前「鮮の庄」での懇親会。金子先生はアルコールが入ってますます饒舌になられて、とどまるところを知らず、また多方面に活躍される方の様々な話題が飛び交い楽しいひと時でした。

<2009年度のこれからの予定>
第10回 3月6日(土)講座:「女性探検家から見た中央アジア」井出マヤさん(会議通訳者、中央アジア研究者)

<問合せ先> Tel & Fax: 03-3480-4478(野口)
E-mail:silkroad-j@mtj.biglobe.ne.jp
Copyright (c) 2004-2008 日本シルクロード文化センター All Rights Reserved