第7回の様子(報告:周東)
第7回目を迎えた「シルクロード講座&サロン」は23名の参加で行われました。
シルクロード講座:
今回は講座を2つとサロンという構成でした。
1)「モンゴルが人類史に与えた歴史的役割」 講師:野口当会代表
ビジュアル版の『図解 世界史』をもとに,各時代の世界地図の中で現在モンゴル国のある地域どのような民族が住み、どのような国家の興亡があったのかを話しました。いつもより短い持ち時間であったため、野口さんの近著『シルクロード10万年の歴史と21世紀』の当該項目を短くまとめたレジュメも用意されたのですが、そこまでたどり着くのに時間が足りませんでしたので、別ページに掲載してあります。
「モンゴルが人類史に与えた歴史的役割」レジュメ
2)「民族の響きを創り出す」 講師:青木隆紘さん
青木さんは東京外語大博士課程在学中でモンゴル国の音楽と政治の関係を中心に研究していて、2007年夏から1年間モンゴルの国立大学に留学されました。
モンゴルの民族衣装デールを着て現れた青木さんが、いきなりエヴェル・ブレーという羊の角にキーとマウスピースを付けた楽器を吹いてくれてびっくり。
<概要>
モンゴルの音楽といえば、教科書に載った「スーホの白い馬」の馬頭琴が日本でもよく知られています。日本でのモンゴル音楽に対する認識は、大抵そのようにぼんやりとした「伝統的な」「広大な草原で歌われる」「騎馬民族なので馬に縁のある」ものというのが大勢を占めています。しかし20世紀にモンゴル系の人々は複数の国家に分断されました。その中で音楽もそれぞれの国家毎の「国民音楽」として近代化されてきたのです。
今日私たちが「モンゴル音楽」といって耳にするもののうち、特にモンゴル国の音楽が社会主義時代を経てどのように変容してきたかを話して下さいました。
シルクロードサロン:「モンゴル舞踊」佐藤淳子さん
佐藤さんは外語大卒で、2007年のモンゴル祭り『ハワリンバヤル』でモンゴル舞踊と出会い、モンゴル舞踊家のマンダブインに師事。2008年、2009年ハワリンバヤル、モンゴル民族文化基金チャリティーコンサートの他、多数出演されているそうです。
机と椅子を下げて空間を作り、民族衣装に着替えた佐藤さんが現れると会場はぱっと華やかになりました。踊りは女性の1日の暮しを表した「バヤド」や杯をカスタネットのように打ち鳴らす踊り、箸をササラの様に使う踊りなど、最後は広い草原を感じさせる創作舞踊を見せて下さいました。
狭いゲルの中で踊るので大丈夫とは聞いていたのですが,思っていたより激しい動きの踊りでした。踊りの合間に、演目の説明、モンゴル舞踊について(おおまかな特徴、地域差・東西の差について)、衣装について、踊りと楽器について、など解説して下さいました。
遊牧生活のさまざまなしぐさや仕事(乗馬や乳絞りなど)が踊りのスタイルになり、狭いゲルでの生活も同じようにモンゴルの踊りになっていくさまが、とてもよく理解できました。
せっかくの機会なので、皆さんも少し踊ってみましょうということで、わたしたち参加者も一緒にモンゴルの草原の気分に浸ったのでした。
終了後は恒例の狛江駅前「鮮の庄」での交流会。楽しい話題が飛び交っていました。 |